おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

パパ、主夫じゃん

 私は独身時代、6年間程都内のホテルで働いていた。ハウスキーピングやバーテンダー、レストランウェイターもしていた。その経験はとても貴重な経験で、今でも生活に役立っている。

 家のバスタブを洗いながら、「俺、これを仕事にしていたんだな~」と思い出すことがある。バスタオルやフェイスタオルもホテルのバスルームのように綺麗に畳んでクローゼットに収めている。

 食事のときは、妻や子どもたちのグラスの水がなくなると、すかさずピッチャーを持って水を注ぐ。食事が終わると空いたお皿を下げる。その仕草はレストランウェイターのときと変わらない。いつまでも空いたお皿がテーブルの上にあるのが気になるのである。

 それだけではない。朝、起きたときに最初に考えるのは、「今日は洗濯物を干せるのだろうか」と天気が気になるのである。そして、妻が起きる前に洗濯機のスイッチを押すのも私の習慣である。

 そんな姿を見て長女は私に「パパ、主夫じゃん」と言うので私は答えた。
「パパは自分のことを主夫だと思ったことはないよ。執事だよ。」
私は今でもそう思う。私は我が家に欠かせない執事であると。