おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

もう一つの鼻血事件

 とある夜。三女が鼻血を出した。当時、彼女は2歳位だった。言葉もまだよくできないときだ。鼻血が出たので慌てたが、なぜかすぐ止まった。変だと思い、鼻の中を見ようとしたが、娘は触らせたがらない。私の手を払いのけようとするのだ。私は娘を自分の膝の上に寝かせて鼻の中をのぞいた。何かがある。そう思った瞬間、蛍光灯の光でピカッと光った。ビーズだ!ビーズを入れてしまったのだ。しかも大きい。とても大きく、鼻の上から下へ押しても動きそうもない。息を吸って、鼻から出すんだといったところで、まだそんな言葉は通じない年齢なのだ。この子は昼間の間、ずっと痛いのを我慢していただと思うと、早く気づいてあげればよかったと、申し訳なく思った。すぐに、夜間診療をしている病院をタウンページで調べ、電話をして状況を説明した後、連れて行った。

 病院へつくと、娘は処置室のベッドに寝かされた。先生は大きなピンセットでビーズをつまんで取ろうとするが、娘が痛がってなかなか取れない。先生の「押さえていてください。」という指示に従い、私は払いのけようとする娘の腕を押さえた。その間に先生はさっと大きなビースを取りだすことができた。先生は取れたという安堵感ではなく、いや~な顔をしていた。

 診察料に1万円支払った。夜間診療ということもあり、思わぬ出費であった。この1万円はその前の週に、仕事で頑張った報酬として会社からもらったお祝い金だった。トホホ~といった気分だった。