おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

我が家の節分

 節分といえば、お父さんが鬼の面をかぶってお母さんが豆をまくような、そんな感じだろうか。しかし、我が家の節分はちがう。豆ではなくアメやチョコレート、キャラメルを部屋中にばらまき、子どもたちはそれはいっせいに拾うのである。これは、とある友人の思い出話がヒントであった。
 
 その友人は4人姉妹で、その家では節分の夜、部屋を暗くしてお母さんがアメやチョコレートを部屋にまくのだ。娘たちはレジ袋をもって手探りでそれらをかき集めるそうで、とても楽しかったそうだ。

 ある日、幼稚園の図画の時間に、「今日は節分の絵を描きましょう」と先生に言われ、アメやチョコレートの絵をルンルン気分で描いていたら、友だちに、「これ何?」と言われて、はじめて自分の家の節分は他とは違うんだと知ったという。この時の様子を楽しそうに話す彼女の笑顔を今もはっきり覚えている。

 そんな両親の愛情を知って、私たちもアメやチョコレート、キャラメルを部屋にまいた。部屋の電気は消さず明るいままであり、妻がばらまき、甘党の私も子どもと競いあって拾うのであった。