おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

気をつけて帰ってね

 いちばん下の子が3歳になったとき、妻も働きはじめ、私たちは共稼ぎとなった。そして子供は、保育園へ通うようになった。妻の仕事は朝早く、帰りも8時位になるので保育園の送り迎えは、父である私の役目だった。
 
 冬のある日。子どもを迎えに行き、帰ろうとすると一人の女の子が私たちにこう言った。「今日は寒いから、気をつけて帰ってね。」突然なできごとに私はびっくりした。この子は私たちを心配してくれているのだ。なんて優しい子なんだろう。私はこの子が天使に見えた。私は一生この子を忘れないだろう。幸いにもこの子とは小学校も同じで、放課後の子供ルームも同じだった。そのため、その後の6年間もこの子の成長を見ることができた。
 
 今ではお互いに成人したが、たまに、近くのスーパーマーケットでその子のお母さんに会うこともある。そんなときは「娘さんどうされていますか?」と近況を聞いたりする。そして必ずあの時の「気をつけて帰ってね」の話をする。本当に私はあの小さな天使に感動させられた。ありがとう。私の小さな天使。