おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

七五三

 11月のとある日曜日。成田山には七五三を祝う家族がたくさん訪れていた。きれいな着物を着た子どもたちは実に可愛い。私はそんな姿を見ると必ず「おめでとうございます」と声をかける。すると「ありがとうございます」と両親が返事をしてくださる。その家族とはなんの関係もない赤の他人であるが、この様なことばを交わすとき、その家族と一体になったような感覚が味わえ、お祝いを共有したような感じがする。そして、こちらも幸せな気分になり、とても心落ちついた時間となるのである。

 しかし、それと同時に親として申し訳ない気持ちもある。私の子どもたちには七五三をお祝いしてあげられなかったのである。当時は金銭的にも余裕がなかった。そのため、我が家には七五三の写真がない。

 お寺や神社で「おめでとうございます」と声をかけるのは、我が子の七五三の姿を追っているのかもしれない。