おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

飼育係

 私の娘(次女)は、小学生のときに飼育係をしていた。彼女は小学校の図書室で飼育に関する本を借りて、自分なりに勉強し始めた。専用のノートを用意し、大切なことがらを書き写したり、イラストを描いたりしていた。その本のなかで、「名前を付ける」という指導があり、娘はすべての鶏に名前を付けた。また、学校の鶏だけでなく、近所の野良ネコにも「お母ちゃん」と名前を付けていた。

 学校の授業の他に、様々なことに興味を持って、自分から勉強することは、たいへんすばらしいと思う。国文学者であり、詩人の大川信(おおかわまこと)さんは、その著書のなかで、「学校の勉強以外に自ら勉強している人は、一生勉強している。」といわれている。確かに娘は、学校卒業後も好きな物語を英語で読んだり、映画のDVDなどをわざわざ英語の音声にして楽しんでいる。

 そういえば、学生時代に友だちの話をよく我われ親にしてくれたが、友だちの名前はいつも「おにぎりマン」とか「モドキちゃん」とかいって、本名で話したことはなかった。

 卒業式のとき、娘はその友だちを本名で紹介してくれたが、「あ!この子がおにぎりマンか」と気づいた。そして、本人の前で「あなたがおにぎりマン?」と言葉に出ないように、必死でこらえていたのを今でも覚えている。