授業参観はスーツで
子どもが小学校のとき、よくあるのが授業参観である。お母さんたちは、お洒落をして参加するが、父親は意外と着るものに無頓着な人もいる。夏の暑い日にTシャツに短パンで来た人もいた。私は営業マンだったので、スーツ姿で仕事の途中でちょっと顔を出すようにしていた。
子どもというのは、自分の親が来ているか確認するために、後ろをキョロキョロと見るものである。自分の子どもだけでなく、友だちの反応もあるものだと後で気づかされた。
その授業参観があった日の夕食のとき、娘が
「Yちゃんのお父さん、カッコいいと友だちから言われた。」
と、ニコニコ顔で報告してくれた。きっと私が紺色のスーツに赤いネクタイをして立っていたからだと思う。
最近のお父さんたちは、髪の毛も自然な形でカッコいいが、昭和生まれの、元ホテルマンとしてはムースで固めなければ落ち着かない。スーツで行ってよかったとつくづく思うのであった。