おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

ほんものの たまごっち

 1996年 バンダイから「たまごっち」が発売された。世界的にも大ブームになった電子ペットである。これは育成型ゲームで、ごはんをあげたり遊んであげたりして、ペットを育てるという内容のものである。香港のある小学校で授業中に「たまごっち、死んじゃった~」と、一人の生徒が急に泣き出したことが、ニュースにもなったほどの大流行だった。

 当時小学生だった娘も、そのうち「たまごっちがほしい。」という日が来るだろうと思っていたが、とうとうその日が来た。私はとっさに、
「いらない!家にはほんものの、たまごっちが5人もいるからいらない!」といった。そのときの娘の反応は「やっぱりだめか~」といっていたと思う。

 他の子がもっているから自分も欲しいと思う気持ちは分かるが、そんな高価なおもちゃをホイホイ買い与える考えはなかった。それに、すぐ飽きることは目に見えている。道端に捨てられている子犬を家に連れて帰り、自分が育てると約束して飼うことを許してもらっても、結局親がめんどうをみることになる。

 後日、私の会社に出入りしているヤクルトレディーが「たまごっち」を3つ持っていた。訳を聞いたら、子どもたちが学校に行っている間に、代わりに世話をしているとのこと。やっぱりな~、結局そうなるよな~と、思うのであった。