おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

連れてこい!

 小さな子どもを育てている両親にとって、子どもの急な発熱は厄介なものだ。特に共稼ぎの夫婦となると、どちらかが仕事を休んで、子どもを病院やクリニックへ連れて行かなければならない。突然の休暇願いはとても気が重いものだ。会社や同僚に迷惑を掛けることになる。誰でもそんな経験の一つや二つ、あるかもしれない。

 娘が小学校の低学年の頃だろうか。朝、起きたら熱があった。妻は学校を休ませるため電話をした。そして職場にも休暇願いの電話をした。すると職場の上司の返事は意外なものだった。
「何を言っている。連れてこい!ここは病院だ!」
妻は私に「連れてこいと言われた。これから出かける。」と言って娘と職場へ向かった。そうだ!妻は看護師なのだ。仕事を休んで近くのクリニックへ行こうとしていたが、自分の職場である病院へ連れて行き、先生に診察してもらうことになった。

 幸い娘は軽い風邪をひいたらしく、薬を処方していただいた。そして妻が仕事をしている間、処置室で休ませてもらったのだ。なんという上司のナイスフォローだろう。誰にも迷惑をかけずにことが済んだ。娘は夕方妻と一緒に帰宅したのであった。