おうし座パパの子育てエッセイ

5人の子どもを育てたパパのこころ温まる記録

クリスマスのプレゼント

  ある日、仕事から帰ると部屋が散らかっていた。娘たちがおもちゃで遊んでそのままなのである。さっそく「片付けなさい」と言って片付けさせた。娘は小学校の低学年の頃だった。そして「せっかくパパが買ってあげたのに」と独り言を放ったとき、「え~?サンタさんからもらったんだよ」と娘が答えた。私はハッとした。そして「だったらなおさら、大事にしなきゃダメじゃない」と取り繕った。自分が子供たちに買ったおもちゃか、サンタさんからもらったおもちゃか、時間がたてば分からなくなる。このとき、私は30歳代だった。今後、しっかり覚えておこうとそのときは思った。

 しかし、その後、子どもも増え、誕生日にもプレゼントをするので、誰に何をいつプレゼントしたか分からなくなるものだ。特に5人も子どもがいると、思い出せない。ところが、もらった方の子どもは本当によく覚えている。関心する。これは何歳の誕生日にもらって、あれは何歳のクリスマスにもらったとか詳細に覚えているものだ。「あの像のぬいぐるみは○○歳の誕生日でもらった」とか言われて「ああ、そんな物もあったな~」と思い出した。その像の映像が私の脳裏によみがえったのだ。大きな像のお腹に袋があり、その中に小さな像のぬいぐるみが数匹入っていた。懐かしい。

 今では娘たちも成人して、仲良しの友だちや同僚、そして自分たちの子どもたちや伴侶にプレゼントすることもよくあるようだ。そして、プレゼントする喜びを味わっているのだと思う。プレゼントを贈る相手がいるということは、なんと素晴らしいではいか。娘たちよ。豊かな人生であれ。